Vis Japan

模擬仲裁日本大会

Vis Mootの流れ・進め方

(取組みの概要)
異なる国に営業所を有する当事者が物品売買契約を締結した(あるいは、しようとした)ところ、当事者間で当該契約に関してトラブルが発生し、当事者の一方が(模擬)仲裁を申し立てることとなります。チームは、当事者の代理人弁護士として、契約と仲裁手続に関する論点に取り組み、主張書面を書き上げ、経験豊富な実務家・研究者を仲裁人(兼審査員)とする口頭審理に臨みます。

この(模擬)仲裁においては、契約に関する争いについては、主に国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約/CISG)に従い、仲裁手続に関する争いについては、UNCITRAL国際商事仲裁モデル法と当該大会において利用される仲裁機関の仲裁規則に従い、議論を展開します。主要な参考文献については、こちらをご覧ください。


  1. 問題発表(10月10日頃の金曜日)

    (概要)
    すべての本大会とプレ大会(練習大会、プレムート)で同一の問題が使用されます。問題文の構成について、31st Vis Mootの問題を例に説明します。以下に出てくるページ番号は、この問題のページ番号です。
    まず、4~18頁が仲裁を申し立てるにあたって申立人が提出した書面、19~28頁がICC(国際商業会議所。本件で利用される仲裁機関)からの連絡文書、29~36頁が被申立人が提出した書面、37~45頁がICCからの連絡文書となっています。さらに、申立人から追加の申立てがあり(46~50頁)、仲裁廷・ICCからの連絡(51~53頁)、被申立人からの反論(54~56頁)が続きます。以上の書面のやりとりと仲裁廷・当事者間の協議を経て、Procedural Order No. 1(58~60頁)が仲裁廷から出されています。なお、Procedural Order No. 2(61~66頁)は、次に説明するクラリフィケーションに伴い公表されるものです。

    (申立人の提出書類)
    主に、仲裁申立書(Request for Arbitration)証拠書類(Claimant Exhibit)から構成されます。当事者間の事実関係と請求・主張を把握するのに重要な文書となります。一連の文書の最初のページ(4頁)は、仲裁申立書や証拠書類を提出するにあたってのカバーレターとなっています。たいていの場合、仲裁廷を構成する3名の仲裁人のうちの2名については、各当事者が1名ずつ選任することになっており、これらの文書の中で、申立人が選任することとされている仲裁人1名が指名されています。

    (被申立人の提出書類)
    主に、答弁書(Answer to the Request for Arbitration)証拠書類(Respondent Exhibit)から構成されます。これらも、当事者間の事実関係と請求・主張を把握するのに重要な文書となります。一連の文書の最初のページ(29頁)は、答弁書や証拠書類を提出するにあたってのカバーレターとなっています。たいてい、これらの文書の中で、被申立人が選任することとされている仲裁人1名が指名されています。

    (手続命令)
    手続命令(Procedural Order)とは、仲裁手続の進め方に関する仲裁廷による指示です。Procedural Order No. 1には、次の期日(=大会)をどのように進めるかが記載されており、特に、主張書面(Memorandum)や口頭審理で議論すべき争点や、主張書面の提出締切りなどが指示されています(58~59頁、4(1)(2)段落)。また、問題に登場する架空の国の法律や判例に関する補足情報も書かれています(59頁、4(4)(5)段落)。

  2. クラリフィケーション(10月末頃)

    各当事者の情報、当事者間の契約に関する状況など、問題に取り組むにあたっての不明点があれば、大会本部に質問することができます。その回答は、Procedural Order No. 2として、クラリフィケーション依頼の締切り後10日から2週間程度で公表されます。重要な情報が追加されることもあります。なお、すべての質問に回答がなされるわけではありません。

  3. 申立人主張書面の執筆・提出(12月10日頃まで)

    主張書面の構成や形式については、大会規則において指示されていますので、よく確認してください。

    過去の大会において優秀書面賞を授賞したチームの主張書面が掲載されていますので、参考にすることができます(たとえば、31st Vis Mootのページをご参照ください)。

  4. 被申立人主張書面の執筆・提出(1月下旬頃まで)

    本大会に出場する場合、General Roundsで対戦する1チームの申立人主張書面が届きます。これに応答する形で被申立人主張書面を執筆し、提出します。主張書面の構成や形式については、大会規則において指示されていますので、よく確認してください。なお、自チームの申立人主張書面は、General Roundsで対戦する別の1チームに送付されています。

    過去の大会において優秀書面賞を授賞したチームの主張書面が掲載されていますので、参考にすることができます(たとえば、31st Vis Mootのページをご参照ください)。

  5. プレ大会(練習大会)・本大会での口頭審理(2~4月)

    (概要)
    本大会は、香港大会、ウィーン大会の順で、イースター前の時期に開催されます。したがって、本大会の開催時期は毎年変動します。プレ大会(練習大会、プレムート)は、本大会前の2~3月頃に、世界各地で開催されています(プレ大会の一覧はこちらに掲載されています)。プレ大会は、本大会の予選という位置づけではありません。プレ大会の出場の有無や結果にかかわらず、本大会に直接登録し、出場することができます。

    本大会では、まずGeneral Roundsで、申立人側として2対戦、被申立人側として2対戦の合計4対戦(うち2対戦(申立人側・被申立人側各1対戦)は、被申立人主張書面の執筆の際に、自チームの申立人主張書面を受け取ったチームと、自チームに届いた申立人主張書面を執筆したチームを相手とする対戦)に臨み、その結果に応じて、Elimination Roundsに進むことができます(ウィーン大会では64チーム、香港大会では32チーム)。

    (口頭審理の進め方・概要)
    口頭審理の進め方や注意事項については、必ず大会規則をよく確認してください。口頭審理に参加するのは、申立人を代理するチームから2名、被申立人を代理するチームから2名、そして仲裁人役(審査員)3名です。各チームからは、手続法の弁論を担当する者と実体法の弁論を担当する者の2名が参加します。

    スタンダードな問題の場合、以下のような順序で弁論をおこないます。
    【Ⅰ】手続法上の争点について、
        1. 被申立人の主張
        2. 申立人の主張
        3. 被申立人による反駁
        4. 申立人による再反駁
    【Ⅱ】実体法上の争点について、
        1. 申立人の主張
        2. 被申立人の主張
        3. 申立人による反駁
        4. 被申立人による再反駁

    (口頭審理の進め方・詳細)
    持ち時間は申立人・被申立人それぞれ30分(最大で45分)であり、原則として、手続法と実体法それぞれの持ち時間を各15分とします。その中で、担当するすべての争点についての主張および(再)反駁をおこないます(多くの場合、反駁・再反駁の時間は15分のうち1~2分とされます)。仲裁人は、当事者の主張が一通り終わってから質問をする場合も、当事者の主張の途中で質問をする場合もありますが、仲裁人との質疑の時間も持ち時間の15分のうちに含みます。

    チーム内の時間配分をどうするか、弁論の順序をどうするか(手続法の争点と実体法の争点のいずれを先に議論するか、それぞれについて申立人と被申立人のいずれが先に弁論するか)について、口頭審理を開始するときに仲裁人から尋ねられるため、あらかじめチーム内で決めておき、また必要に応じて、相手チームと協議しておきます。



◆お問い合わせ先◆

国際商取引学会模擬仲裁委員会
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